2011年7月30日土曜日

BARLING'S MAKE Saddle Billiard-Pot(Pre-Transition Era)








 2本目のバーリングです(L15.5H5.0W4.3)。写真でもかすかに見えるように、"BARLING'S MAKE"がアーチ状のブロック体で、サイズが"EXEL"、ナンバーが1728となっているので、欧州市場向けに作られたPre-Trans eraのものと分かります(Ye Old Briars氏のサイト参照)。
 最低でも50年以上は経っているので、届いた当初はだいぶ汚れが目立ちましたが、バーリング・クロスがしっかり残っているし、大事に使われていたようです。前オーナーがebayにアップした説明文にも長年大切に愛用した旨書かれており、同様の手書きの手紙も同封されていました。ただし、このオーナーは、ボウル内部にやや大きめの穴が2カ所あいていることは触れていませんでした。全体のシェイプは気に入ったので、パイプクラブの会員である渋谷のパイプショップ店を通じて国内の業者に修理に出したところ、完璧に直してくれました。ボウルもステムも磨きこみ、だいぶいい感じになっています。なかなか持ち応えもあるし、やっぱりバーリングは美味しいですね。

Ashton PEBBLE GRAIN XX 2010









 Ashtonを知ったのは、国内のパイプ通販サイトのご主人が、オマケにAshtonの葉っぱをつけてくれたからでした。缶に入ったそのArtisan's Blendはラタキアの風味が絶妙で、お礼のメールを出したところ、「Ashtonはパイプそのものも作っていて、オイルキュアリングですよ」と教えてくれたのです。ダンヒルが60年代後半にはやめてしまったあのオイルキュアリングを続けているメーカーがあるのか、と大いに関心をもち早速海外のネットで購入したのが、このPEBBLE GRAIN XX(L16.0H5.2W4.0)です。
 AshtonはDunhillと同様に、イヤーコードが入っており、2009年製までは1980年が基準になってます。たとえば”MADE IN ENGLAND"の後に9とあれば1989年、20とあれば2000年に作られたものです。このパイプは210と打たれていますが、これは2010年製です。この年以降、表記が変わったようです。211は2011年製となります。
 Ashtonは茶(オレンジ?)のドットがトレードマークで、サイズはかなり大きめの設定です。下から2番目のこのXXでもダンヒルのグループ4~5ですから、XXX以上になるとかなりのラージサイズになります。
 PEBBLE GRAINは人気シリーズの1つのようで、確かにこのダイナミックなサンドブラストはかなり魅力的です。そしてオイルキュアリングゆえと思われるマロやかな味わいは、ヴィンテージ物と遜色ないと思います。Ashtonの創業者ウイリアム・ジョン・アシュトン・テイラー氏は元ダンヒルの工場長で、1983年に独立してAshtonを立ち上げました。完全フルハンドメイドのオイルキュアリングですから人気が出るのも当然で、先日、1985年のunsmokedのPEBBLE GRAINがebayで600ドル以上の値がついていました。
  2009年にアシュトン氏が亡くなったのは、まことに残念です。

DUNHILL BRUYERE BAMBOO 4103(1987)





 ebayで落札した1987年製のダンヒル・ブリエール・バンブー(L15.8H5.0W4.2)です。unsmokedでしたから、20年以上たっていてもボウルはキズ1つなくキレイですし、写真の通り刻印もくっきり残っています。竹の太さもちょうどいい(極太バンブーはあんまり好きじゃありません)。ただし、吸ってみると1つ大きな問題が……。
 空気の通りがかなり悪いのです。口に力を入れないと空気が入ってこないから、吸っているうちに頬のあたりが痛くなるし、しまいには頭痛がしてくる始末。そもそも、モールを通すとかなり窮屈です。やむを得ず、新宿kagayaを通して英国のダンヒル本社に送ったところ、2週間ほどで「調整した。モールが通るから問題ない」と返ってきました。ところが、状態はまったく改善されていません。天下のダンヒルもいい加減なものです。で、結局、kagayaから今度は、日本の有名パイプ作家・徳富氏に修理してもらったところ、別物のようにスムースになりました。徳富さん、お見事!