1984年製のAshton PEBBLE GRAIN BilliardでサイズはXX(L146H50W34)、UNSMOKEDコンディションです。ダンヒルの工場長だったビル・アシュトン・テーラー氏がAshtonを興したのは83年ですから、創業2年目、フル操業した最初の年の作品となります。アシュトン氏らしい、非常にダイナミックなサンドブラストです。
セラーのCOOPERSARKによれば、小さいほうから2番目のサイズであるXXとなっているが、実際はXXX、ダンヒルのグループ5に相当する大きさだ、と説明されています。たしかに、以前、当欄で紹介した85年製のXX(下段に写真あり)よりは大ぶりですが、私の持っているダンヒルグループ5と比べるとやはり小さい。そもそもAshtonのパイプは概して大きめですから、アシュトン氏の基準では、XXだったのしょう。
シャンクの下側の刻印を見ると(すぐ下の写真)、XXがオーバルで囲まれていません。さらに下の写真は、先述の85年のPEBBLE GRAINの全体とシャンク下ですが、このXXも同様です。85年の途中あたりからサイズを囲むようになったようですから、オーバルがないのは、Ashton草創期の息遣いを感じさせる貴重な一品といえるのかもしれません。
実は85年製のAshtonを11年の暮に入手したのち、ネットで調べてみると、COOPERSARKには84年製の私好みのサンドブラスト(つまり、今回のパイプです)がもう1本あるらしいことがわかりました。あれから苦節1年半(ちょっと大袈裟ですが)、ようやく入手できました。
私がこれほどAshtonに惹かれる理由は、サンドブラストの表情が豊かだから、精魂込めて作った跡が伺えるから等々ありますが、喫味の良さもその1つです。この84年の作も非常にスムースに煙を味わえます。早速、中目黒のバーでボウルの8分ほど入れて試してみたら、気持ちよくスモーキングを楽しめ、気が付いたら2時間近くが過ぎていました。私の拙い技術では珍しいことです。
Ashtonおそるべし!
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